いま、私たちの社会で高齢者人口の増大と、その比重の高まりの中であたかもそのことが社会全体を悲観的方向に性格づけるかのような「高齢化社会」危機論がふりまかれ、「豊かな老後を!」という私たちの切実な願いも踏みにじられようとしています。
しかし、私たち、誰にも「老後」がやってきます。そして、一人ひとりにとって老後の生き方や人生はさまざまであっても、働く以外に生活していかれない人々にとって、その収入は老後の生活を維持するに足るものでなければならずそうでないとすれば、企業や国家などの負担により公的に保障しなければなりません。
とりわけ老人の生活にとって必要な医療保障、住宅保障ならびに福祉サービスなどは、とくに公的責任によらなければなりません。これらのことはいずれも、私たちが「誇りある老後」を送るための当然の要求であり、それは最低限の社会的権利として」どのような社会においても認められなければなりませんし、今日の社会においても十分実現可能なものです。「在宅」あるいは「施設利用」高齢者の困難な生活実態や権利保障の不十分さ見るにつけ、いま、私たちは自らの老後と重ねつつ、行政担当者、処遇実践者、研究者、あるいは高齢者自身として老後の生きる権利の確立に向けた研究活動をいっそう発展させなければならないと考えております。
さまざまな分野から老人をとりまく問題実践を持ちより、それを通じた真に科学的で実践的な考え方を私たち自身のものにするために研究することが本会の目的です。老人問題に関心をもつ皆さんの当会への積極的参加を呼びかけるものです。
役員
代表委員 宮崎 牧子(大正大学教授)
代表委員 西岡 修(白十字ホーム)
事務局長 佐藤 嘉夫(佐久大学教授・岩手県立大学名誉教授)
顧問 井上 英夫(金沢大学名誉教授)
全国老人福祉問題研究会 会則
(一部抜粋)
第1条(名称)
この会は、全国老人福祉問題研究会(略称 全国老問研)といいます。
第2条(目的)
この会は、「老問研入会の呼びかけ」にもとづき、日本国憲法の理念としての社会保障権を高齢者のすべての生活面にわたって具体化し、拡充発展させるために、高齢者福祉に関わる研究調査などの諸活動を通じて、地域・職場の運動と理論形成に寄与することを目的とします。
第3条(活動)
この会は、目的達成のため、次の活動を行います。
@高齢者福祉の諸制度・施策をめぐる問題についての研究
A高齢者福祉の現状把握のための調査および資料収集
B機関誌「月刊ゆたかなくらし」の編集・発行
C全国および地域段階における研究集会、交流会などの開催
D講座、講演会、学習研究会などの開催
E関係する図書、資料の紹介、斡旋、発行
F「月刊ゆたかなくらし」の普及と会員の拡大
Gその他、目的達成のために必要な活動
第4条(会員)
この会の目的に賛同し、会費を納めた個人・団体は、誰でも会員になることができます。